いろはの日記

2月の漢字検定本番に向けて頑張ってます。

瞋目張胆(しんもくちょうたん)

こんにちは。

11月1日、年に多くても3本程度しか映画を観ない私が久々に映画館に足を運びました。

観た映画は『ブレードランナー2049』です。

前作『ブレードランナー』が1982年公開ということで、その日同じシアターホールにいた観客の年齢層は全体的に高い印象を受けました。当時リアルタイムで前作を鑑賞した人にとっては、実に35年もの月日が経ってからの新作公開は本当に嬉しいものだと思います。

普通、アメリカで公開された映画が日本で公開される場合には一定の空白期間が生じますが、この映画はアメリカで公開されてから一ヶ月足らず(3週間)で日本でも公開されたので、その注目度合いがうかがえます。

私がこの映画を見ようと思った理由は主演が好きな俳優のライアン・ゴズリングだったからというひとつのみで、前作も未鑑賞、もちろん何の予備知識もない状態でこの映画を観たのですがボリューミーな3時間映画だったこともあり、たっぷり楽しめました。

ただ、鑑賞後にネットでこの映画の評論ページを覗いてみたところ前作とリンクするオマージュ要素がかなり盛り込まれていたようで、その辺はもうしょうがないと思って割り切って鑑賞したので仕方がないんですがわかる人にはわかる面白さを逃してしまったのはもったいなかったですね。

映画の原作がSF小説の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』だったということもそのサイトで初めて知りました。

この小説自体は直接読んだことはないものの、私が好きなソーシャルゲーム発のコンテンツである『アイドルマスターシンデレラガールズ』関連楽曲の「アタシポンコツアンドロイド」(作詞・作曲・編曲:ササキトモコ、2013年10月9日発売「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 001」収録楽曲)という歌に

“アンドロイドは夢を見る 電気羊と砂嵐の夢” (CD収録歌詞カードより引用)

という歌詞が出てきます。

この歌詞はラストのサビ前のCメロの部分に出てきますが、曲の始めからこの部分の直前まで女の子らしさ全開のメロディと歌詞だったところにいきなりこのフレーズが出てきたために少し違和感を覚え、調べてみたところ小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』がヒットしました。その際あらすじを調べて面白いと感じた私は、元々お気に入りの小説レーベルのハヤカワ文庫で翻訳版が出版されているともわかりいつか読もうと思っていたのですが、まさかこれを基に作られた映像作品を無意識に鑑賞していたとは…

公式楽曲紹介動画が存在しないためリンクを貼って紹介することができないのが残念ですが、「アタシポンコツアンドロイド」、恋する女の子の夢が詰まったとてもキュートな楽曲なので気になった方は是非聞いてみてください。

 

本日タイトルに選んだ四字熟語である「瞋目張胆」は恐ろしい事態に直面した時でも、気力・胆力をすえてそれに相対する意の四字熟語です。

出典は『史記』の「張耳陳余伝」から。明確な出典文章、巻数はわからなかったのですが、どうやら陳勝が楚王になるいきさつのエピソードから生まれた四字熟語のようです。

(似たような四字熟語で「明目張胆」(大事な任務などの時の心構えのこと。)がありますが、こちらの出典は 『晋書』の「王敦伝」からなので別物です。)

 

今回私が鑑賞した『ブレードランナー2049』は言うなれば主人公一人の孤独な戦いを1本丸々通して描いた映画です。

 

人間とは違う存在のレプリカントとして生を受け、ひたすら人間から与えられた任務を全うする主人公:通称K。その苦悩は周りの人間達に理解されず、次第に自分が任務を遂行している意味や存在意義を求め上司である人間の命令を無視し単独行動を始めます。

この映画独特のワードである「レプリカント」とは、人の胎内から産まれずに人造で産まれた人間のことを指します。産まれた方法を除き、全ての身体事情や感情の捉え方は人間と共通しています。

産まれた方法だけで立場の差が生じている世界の現状に疑問を抱いてからの主人公の行動力には驚きました。(過去のレプリカントの記憶をログとして保管している施設に足を運んだり有力情報所有者の居場所を突き止めるなど……)

 

調査を続ける中で主人公は世界が揺らぐようなレプリカントに関するとんでもない秘密がこの世に存在することを知ります。あまりに自分が今まで抱えてきた世界観と事実とのギャップが激しく絶望に打ちひしぐ主人公でしたが、そこで挫けなかったのが主人公の凄いところでした。

秘密を知ったことにより、主人公はある組織によって監視され命を狙われることになるのですが、そのリスクを冒してでも自分が本当に知りたいことを命を懸けて最後まで探求する精神力に心を動かされました。

 

ライアン・ゴズリングが今回演じた主人公はめったに表情を変えないキャラクターでしたが、顔の表情とは違うところ(声色や視線など)で揺れ動く主人公の感情を見事に演じきっていて素晴らしかったです。

ハリソン・フォードも75歳という年を感じさせない力強い演技で映画に一華咲かせていました。(アクションシーンも全く違和感がなかったです。彼の役者魂を感じました。)

2人ともアメリカを代表する俳優なので当たり前なのですが、私の知っている『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング、『インディ・ジョーンズ』のハリソン・フォードとは全く異なっていて、本場の俳優の凄さを感じることが出来ました。 

私は放映中の3時間ずっと食い入るようにスクリーンを見つめていたので、約一ヶ月経って記事を更新している今でも鮮明に映像の記憶を脳裏に思い浮かべることができます。

本でもドラマでも、人に作品紹介をするのは得意ではないのですが、そんな私がここまで比較的すらすらと文章を書けたくらいとても素晴らしい映画でした。

自信を持っておすすめする映画です。

 

瞋目張胆(しんもくちょうたん) 意味:恐れることなく、思い切って事に当たること。