AMNESIAーイッキ感想

鞄を持ちたがる男、というのが第一印象でした。出会い頭に息を吸うように「鞄貸して。」と言ってくる様はまさにデート職人。見た目も雰囲気も口調も、ザ・遊び人って感じなんですが、親友のケント曰く「イッキには心と体の乖離が見られる」とのこと。本人にしかわからない苦悩ってあるよね…

 

このルートでは、『冥土の羊』の制服着てバイトしてるシンくんが初登場。嬉しい~!シンくんルートでは「俺もバイト先お前と一緒」と言いつつ、結局一切シフト入ってるとこ見れなかったので…ヒロイン同様、受験期間中はバイトおやすみしてるのかも。しかし今回、馴染みのシンくんだ~いえ~いと思ったのもつかの間、「アンタよりは年下だけどバイト先では先輩なんだから敬意払ったらどう?」とめっちゃあしらわれました。彼女もいないらしい。当然か、もう違う世界のシンくんなんだもんな。ワイが悪かった。店長も、優しいオネエから一転して客を敵とみなす軍人になりましたし、トーマも義兄になってましたね。なってましたというか、ハートの世界では幼馴染、スペードの世界では義兄なんでしょう。この辺アムネシア知らない人に口頭で説明するのわりとムズいな。やっぱプレイしてもらって各々実感するのが一番いいですね。かつてのラブラブ彼氏であっても世界変わるとヒロインのこと全然好きじゃねえなって。

 

イッキには直接目を合わせるだけでどんな女の子も一目惚れ状態にさせちゃう能力があって、普段はサングラスをかけてその力を制御しています。サングラスかけててもたまに能力通過しちゃうので、本気で女の子に近寄られたくないときは戦隊ヒーローのお面を付けて参上するときも。お面状態の時セリフの声がこもってる細かさgoodでした。この能力ホントにホントか?って疑ってたけど、なんせ一番近くには精霊がいるし、別に不思議じゃないのかもしれない。モテたいと星に願ったら神様がこの力をくれたっていうエピソードあったけど、冗談言ってる雰囲気じゃなかったしネタバラシとか特になかったので、本当に能力者みたいよ。すごいね…

本人は気にしてるみたいだけど、イッキュウって本名も彼に似合ってて良いと思う。ケントだけ本名呼びしてるけど、何言っても「なんでだ。お前の名前はイッキュウだ」って譲らないから指摘するのも諦めたに一票。

そうそう、ケントとイッキが仲良しっていう設定には揺らぎがないようで安心しました。数学で繋がる仲って珍しくていいですね。2人の数学勝負アイキャッチイラストのイッキのドヤ顔が好き。あと8月終わるまでに恋が実らないと、傷心のイッキがケントと二人きりで海に出かけるんですが、それが実に青春って感じでよかった。なんだかんだ付き合ってあげるケント優しいな。これ、恋が実るにしても8月28日あたりのことなのでマジでギリギリなんですが、イッキとヒロインは結構複雑で変な付き合い方をしているので、記憶がなかなか戻らないのも当然なんですよね。用意周到な示し合わせで成り立ってるカップルだったのに、記憶なくしたらそりゃ全然話通じないわ。イッキの行動だけ見たら誰だってクズって思うし。数学得意なのはいいけど、こういう遠回りなことやり始めるのはやっぱ文系の男だよ。

でまあ、記憶戻る前のヒロインもミネほどじゃないけどあざとかったんだろうなと思いました。記憶取り戻した後のモノローグでわかったけど、自分だけにイッキが想いを寄せてる状況を楽しみつつ、イッキの甘言に揺らがない自分に誇りを持っている。それでいてイッキの目を無力化できる女が自分以外に現れたらどうしよう、特別な自分という価値がなくなる…!って相当焦ってますよね。焦るくらいならさっさと返事しろよなって思ったんですけど、記憶なくしてるから返事できなかったんだわ(笑)

でも記憶なくしてなかったらFCというかリカに逆らえずに8月いっぱいで恋人関係終わってたし結果オーライですね。それにしてもヒロイン、潜入捜査してたとはいえ6月から2ヶ月日報を書き続けてたんだよな。。。どんな気持ちでしたためてたんだよ。。。

とりあえず、ヒロインの恋愛のきっかけは“イヤよイヤよも好きの内”だったってことがわかって良かったです。イッキの付き合うスタンス聞いて無関心でいれずに思わず罵倒する辺り、イッキの表面じゃなくて中身のこと気にするいい子と解釈していいのかな~。でも本気で大嫌いだったなら付き合わなくていいと思うし、やっぱ目の能力を抜きにしても彼ハイパーイケメンだから付き合えるもんなら付き合いたくなっちゃうよね~自分だけの彼氏でいてほしいよね~、わかる。イッキにとっても王道の「俺になびかねぇ女か……フッ、面白え。」恋愛だったんだろうし、外で冷たくされたりもありましたがある意味正統派なんですね。彼女に対してFCの女の子の妨害が入るのも最近見ないですけどわりとありがちでしたし、総合すると少女漫画ですね。正規ルートでは白昼堂々駅前で公開キスしますし、もうほんとに少女漫画ーー!!って感じでした。キスはおいといて、イッキがサングラス外して「もう誰の目も気にしない」って言い放ってたのがめちゃくちゃカッコよかったです。弱点を吹っ切れた人間は強い。ここから同時にイッキとの夢の同棲生活もスタートです。彼部屋綺麗だし大手に就職決定してるらしいし、いいんじゃないですか。結婚の2文字がめっちゃチラつきますけど。ヒロインは若くして最後の彼氏になるんじゃないですかね?学生結婚もいいかもしれませんね。

ノーマルエンドだとヒロイン実家に帰ります。(峰雄で見たな、これ。)土日とか会える時に会うらしいけど、2人ともこじらせそう…ノーマルと言いつつ実質破局エンドなんじゃないかと私は思います。イッキ遠距離恋愛したことないでしょ。うまくいく確率ケントに計算してもらってから考えたら?って思いました。でも、このエンドやらないとヒロインが8月いっぱい一人暮らし出来てたのが誰のおかげかわからなかったのでそこは良かったです。4人目のママ…ありがとう…。

 

バッドエンドはさっき言ったイッキフラれ傷心旅行withケント、リカにマジで殺されそうになって逃げてる時に崖から落ちて入院&イッキが病んで復讐しに行くやつ、記憶ないのバレて破局の3本立てです。破局の方は、「やるじゃない、神様」っていうエンディングのタイトルからは想像できない内容でちょっと驚きました。タイトルだけ見ればポジティブ寄りなんですけどね。シンくんはメンタルおばけだったので、ヒロインの記憶喪失に気付いても自己紹介やり直したりまた好きになってくれるように誘導してましたが、こちらの彼は3ヶ月恋愛専門の方ですので2ヶ月分の記憶がないと知っただけでめちゃくちゃになってしまいました。シンくんは18年分記憶消えても寄り添ってくれたのにな…比較するのかわいそうなんでやめます。でもイッキの気持ちを考えると自分にとっての唯一の希望がなくなってしまった、ってことなので悲しいですよね。これからも適当な恋愛をさせられ続けるんでしょう。どのみちイッキに現実を伝えてFCを活動停止に追い込まないと本当の意味でイッキを救えないので、スペードの世界では彼のメンタルが試されている気もします。バッドの彼はこうってだけで、正規ルートのイッキは鋼のメンタルなので問題ないですよ!タイミングってあるよね。

 

この間夏休みにやるのちょうどいいゲームって言いましたけど、どうもアムネシアの世界は冷夏みたいで吐く息白かったり手袋つけたり暖房付けたり、この灼熱地獄の2019年夏を生きる我々にとっては感情移入がうまく出来ませんね。まさかこれもウキョウが関係してたりします?今回ウキョウあんま絡んでこなくて安心したけど、この先なにが待ち受けてるのか想像つかな過ぎて怯えています。もう殺されませんように…。

ウキョウが絡んでこない代わりにイッキFCの女の子たちに邪険にされたので、クローバーの世界では平和に過ごしたいです。