全体感想というか考察【Collar×Malice】

※クリア後推奨記事です

本編優先で放置してたミニシチュエーションドラマ、SS、ボイスレコーダー、そしてアドニスに焦点を当てた共通ストーリー“Criminal”を終え、ついにゲームクリアです。Criminalのラストは本当に鳥肌立った…Xってそういうことか…!

7月はほとんどカラマリしかやらなかったな。ほんとの新宿には今月一回も行ってません。駅は乗り換えで使ったけど地上に出てない。今度服買いに行くからついでに新宿BLAZEの外観見てこようと思います。今場所調べたら2年前くらいにヒプマイカラオケ行ったカラ鉄の裏だった。香月、あんなとこに深夜出入りしてるのか…めちゃめちゃ危な…他のスポットも余裕があったら行きたいけど、夏だから熱中症が怖い。あまり暑くなかったらウロウロするくらいにしよう、新宿は逃げないから。すっかり新宿を聖地として認識できるようになりました。意識改革大成功でマジ感謝。

 

オトメイトのゲームで使用されるフォントは読みやすいし見た目かっこいいしオシャレだし世界で一番大好きなのですが、今回はそれに加えキャラ立ち絵の位置・サイズが背景や状況に合わせて逐一動くことにとても感動しました。す、すごすぎる…。その他にもBGMごとに異なったデザインサムネイル、用語一覧まとめ、マテリアル解説など…これらを同時に1本のゲームに詰め込んだスタッフさん達の労力に恐れ入ります。また、セリフに合わせてこんなに細かく立ち絵の配置が変わるゲームは今回が初めてだったので、丁寧だな、、、と感心してしまいました。峰雄の初登場自己紹介シーンとかもうアニメやんって思った。のっけの共通ルートから動く動くでつかみとしては大成功だと思います。魅せ方がうまいな〜と先を進めることが自然にすごく楽しみになりました。

主人公の市香は警察官ですが、見た目が全然警察官じゃない…制服どこ…髪型の段エグ…って気持ちが最後まで変わりませんでした笑 絶対Axes Femmeの民じゃん。可愛いからいいや。

声優さんのキャスティングも攻略キャラからそれ以外に至るまで豪華です。プレイ当初はアニメ化決定してるの知らなかったのですが、このキャストのままアニメ化したらどんなに良いだろうと思いました。アニメ、絶対見ます。きっと愛時さんを軸としたお話になるんでしょう。動く愛時さん想像しただけでやば…ますます好きになるわ。正直そんなに人気作だと思わないで普通に遊び始めたので、いざFDあるよとかアニメ化決定したよとか単独イベントやったよとか舞台化してるよとかを知った時にすげぇ展開してるなってビビりました。そういえば、単独イベントの円盤が3日前に発売されたようで、おめでとうございます。


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描き下ろしのイラストが全員かっこいい。あと単独ってなると、声優さんもある程度自由に色々できるからのびのびされている気がします。森田さんが柳さんを演じてるとこ見るのいつ見ても新鮮なので、朗読劇収録のこちらのBlu-ray買うかもしれないです。もう私今日から愛時推しなんですよ。

 

アドニスの目指す理想と星野市香の掲げる信念のギャップについてですが、前者はアドニスの理想というよりは冴木の理想と言ったほうが良いでしょうね。X-Dayのために用意された駒メンツ以外で普段から彼に従ってるのはわりとなんの信念もない人達っぽいので。

冴木はなんらかの哀しみや苦しみを抱えた被害者側の人間を甘言で翻弄して加害者に変えてしまった人物として描かれていますが、私にはどうもただの口先だけの言葉で冴木が彼らを誘ったとは考えられないんですよね。「この世界を自分の理想のものにするために多少の犠牲は必要だ」という考えはサイコパス的発想から来ていますが、立場の弱い人達に次々白羽の矢を立てたり、自分の身の回りの悲しい出来事に異常なほど共感していたりしている面を考えると、思慮のなくそういう行動をしているわけではなくむしろその逆で、自分なりに世界を良くするために考えに考えた結果、間違っていることに気づかずにX-Day計画を実行してしまったという…事実彼は、X-Day事件を実行するまでに10年の準備期間を費やしていますし菅原理香の境遇を想って涙を流したりしてるので、100%サイコパスではないんですよ。だからこそ厄介だったんですよね。

柳さんが言っていたように、冴木弓弦は存在しないけれども、それまでに同僚として、友人として市香と接してきた彼との思い出は決してなくならない。地域住民からの警察官としての評価は間違いなく彼の仕事ぶりから来るものだったし、嘘であって嘘ではないんです。ただ、一番悲しいのは間違いなく他の誰でもない彼だよ。人知れず苦しんできたんだもんな。冴木弓弦の戸籍がなんの違和感もなく馴染むほどにはうまく生きれていたし世界に溶け込んでたんだけどな…あんないい友人いないよ。年齢も多分嘘だと思うけど少なくとも市香よりは2個年上じゃん。同い年かと思ってたくらいいつも自然に市香と接してくれてさ…(/_;) 全てなくなるってわかってたはずなのに優しく接してたのずるい、本当。

 

なんで御國は冴木のことを【ゆづる】なんて赤ちゃんみたいな呼び方するのかと思ったら、その呼び方が他でもない彼のレゾンデートルだったからってことがCriminalで発覚しました。母が彼に与えたものは名前の音だけだったんですね。総理大臣の愛人の子として生まれたゆづるは、名字も戸籍もなにもない状態で抜け殻同然の母と2人で軟禁生活を送っていたという…予想以上の凄惨な過去でした。そこから母が亡くなり、たまたま読みが同じ弓弦という名前を名乗って世界に出てきた彼の悲しみを一体誰が浄化できたろうか?その存在すら世界の誰にも認識されていない孤独な彼が、ようやく出てきた地上世界で同じように悲しみを抱える人々に自ら手を差し伸べたことは完全な悪と言えるのだろうか?ついそんなことを考えてしまいました。

彼の掲げる正義の最終目標は彼自身が何者かに殺されること。殺した何者かが自分の跡を継いで次の改革者となってくれれば本望ということを再三市香と事務所メンバーに訴えてきます。理想が叶う時=命が終わる時という考え方は岡崎と共通していますね。しかし、結局残された人間のそれからの人生にまで考えが至っていない時点で自己満足でしかないんですよ。

市香は、いかなる理由があろうと絶対に人を殺すことを自分にも他人にも許していません。間違っていようと、悲しかろうと、その想いを抱え続けたまま生き続けなければいけないと主張しています。そしてこの考え方は柳さんの現在を肯定しているものでもあります。過去は消えないですが、他でもない彼女にこう言ってもらえる柳さんは幸せ者ですね。ちなみに、本編中に市香やその恋人が間違って人を殺めた際は全てBAD ENDになります。誰か一人でも欠けると成立しないんですね。

柳愛時チャプター7で冴木が市香に生きたまま捕らえられたとき、彼は市香に「このままだとどうせ死刑なのに、なんで今俺を殺さないんだ」と言いました。これって、アドニス内での立場とか抜きにして自分が死にたいだけとしか思えないんですよ。今までずっと同僚として仲良くしてきた市香の心情を全然わかってない。いや、わかっているからこそなのかも。

劇中、一番近くで彼女を見てきたのは他ならぬ警察学校時代から一緒の冴木です。彼は市香がX-Day事件のキーパーソンとなるに相応しい人物かどうかを近くで見定めるためだけに彼女と仲良くしていました。その事実は悔しいですが、それは同時に、抱えきれない悲しみを誰かにわかってもらいたいと思ったとき、浮かんだのが市香の顔ってことでもありますよね。考え抜かれた精巧な交換殺人は、彼女に首輪をつけなければ暴かれていなかったかもしれない。わざわざ完璧な計画の中に市香を引き入れたのは、彼が教祖というシンボルではなく生きた人間だったからでしょう。首輪から彼女の動向を監視し、時に挑発で惑わせ自分の元に2~3週間かけておびき寄せる等、わざわざそんな回りくどいことをしたのはかすかな良心がまだ彼の中にあった証拠です。なんなら市香に首輪をつけずに飲みの席で正体ばらして、「お前には絶対止められない」って言ってもいいわけですから。正体が明らかになった時の落ち着きようを見るに、いつバレてもいいと覚悟はしていたんだと思いますが、自分から明言することは控えていた感じですか。なんにせよどこかで計画を止めてほしいと彼が願ったからこそ、こんな回りくどい結果になったんだと思いました。ほんっっっとに回りくどかったぞ。いい加減にしてよ(泣)

冴木愛故に長々と書いてしまいました。

 

この作品のキャラクターは過去に何もない人がおらんのかってぐらい、訳アリ人まみれでした。これで一人一人の掘り下げがなかったらシナリオが半分くらいになると思う。でも、キャラへの理解度が深まるごとにゲームへの感情移入度も高まって良かったです。柳さんの元ヤンが一番テンションあがった。市香もあがってたね。

ストーリー把握がなかなかムズくて、これ多分一昔前の理解度がない自分だったらクリア出来ても意味わかってなかったかもしれない(汗)

ドラマ化、映画化余裕です。ストーリーに真剣になりすぎてたまに来る恋愛要素に驚いたくらい、乙女ゲームということを忘れさせてくれた乙女ゲームでした!

 

次は、白と黒のアリスを遊びます。正直今脳みそがめっちゃ疲れてる😂元々状況把握とか文章書くの得意な方ではないので…。しばらくはゆったりプレイでバケーション予定。